歯周病などで、歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの歯周組織が破壊されたような場合、そのままでは破壊された歯周組織は再生しない上、吸収が起こり、どんどん痩せてきます。その破壊された歯周組織を出来る限り元に近い状態に再生させる方法がGTRです。
歯と歯肉の間をきれいに清掃し、組織を再生したい部分に人工の膜を入れて覆うことで、歯周組織の再生を促します。インプラントの土台となる歯周組織の状態が悪いためにインプラントができなかった人でも、歯周組織を回復することで、インプラントが行える場合があります。
1.歯肉をめくって、患部の隅々まで清潔にします。病原菌に侵された部分も取リ除きます。 | 2.歯槽骨や歯根膜が破壊された範囲をGTR(歯周組織再生療法)専用の膜で覆い、その上から、歯肉をかぶせるように戻します。 | 3.歯槽骨や歯根膜が再生されるべきスペースが確保されていれば、破壊された歯槽骨や歯根膜は徐々に再生されてきます。 | 4.人工膜は、3ヶ月位で吸収するものと、非吸収性のものがあり、非吸収性の膜を用いた場合は、膜を除去する手術が必要となります。 |
スウェ一デンのビオラ社で開発されたエムドゲインは、現在最も新しい歯周組織再生誘導材料です。 主成分は歯が生えてくるときに重要な働きをするタンパク質の一種で、歯周外科手術の際に手術部位に塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現し、歯周組織の再生が促進します。
インプラントには充分な骨幅が必要です。歯を抜いた後に、長時間経過したり、歯根の先が膿んでいたりすると歯を支えていた骨の吸収が進みます。GBRはGTR技術を応用した治療方法で、このような場合に、人工骨も使用して骨の厚みを増す方法で、インプラント埋入と同時に行い、約4ヵ月程かかります。
歯槽骨の吸収が激しい状態で、歯根が露出しています。 |
|
歯が脱落した部分は、歯槽骨の吸収がさらに激しくなり、窪んだような状態になります。 | |
歯がなくなった部分にインプラントを埋入します。歯槽骨の吸収が著しいので、インプラントの表面も露出しています。 | |
骨組織を再生させたい部分に、歯肉などの軟らかい線維性の組織細胞を混入させないために、生体材料でできた専用の膜で骨を作リたい部分を覆います。 GBR法の場含は、GTR法の様に歯根膜の再生は必要あリません。再生させたい対象組織が骨だけなので、インプラントを支柱にして専用膜のテントを張ることができれば、比較的容易に骨の誘導再生が可能です。 |
|
専用膜の設置が完了したら、歯肉を元に戻して骨の再生を待ちます。この期問、術部に必要以上の刺激を与えないようにします。 | |
個人差や症例によって異なリますが、数ヶ月で図のように骨が再生されます。 | |
骨が再生され、インプラントが生着すると、人工の歯(上部構造)を製作して装着します。 | |
歯肉をもとに戻した状態です。必要な骨が再生されることで歯肉の形態も美しくなリます。 |
骨移植とは、インプラント埋入時に骨が薄いことによりフィクスチャーが露出してしまったケースや、手術前に骨が薄い(高さがない)ケースにその骨の量を増大させる方法です。
歯が残っているときの状態です。 | |
歯を失うことで、歯槽骨の吸収がおこります。 | |
移植骨や骨補填材などを用いて、歯槽骨の足りない部分を補います。 | |
6〜8ヶ月経過後、インプラントを埋入します。吸収された歯槽骨が再生され、良い状態になっています。 |